大きいお金だからこそ、この3大資金の使いかた、貯めかた、増やしかたを間違えると大変なことになります。
生活経営に影響を与える「住宅」「教育」「老後」についての思い込みや固定観念を無くして、これからの賢い使い方や考え方を学べるよう、生涯で大きい金額になるこの人生3大資金+「その他」4つの項目にわけて情報提供します。
住宅も教育も老後も、ありかたや、やりかたは多様化しています。
それぞれの世代に関わるポイントをチェックしてみましょう。
B世代のみなさまへ
B世代の方が住宅購入を検討される場合、A世代の持ち物を含めて一族で何を所有しているかを知り、検討してください。
住宅を購入したいという方の大半の理由が、「部屋が狭い」「子どもを転校させたくないから」「賃貸は家賃を捨てていてもったいない」とお考えなのではないでしょうか?
B世代の方は ほとんど住宅ローンを35年で考えていらっしゃいます。
35年の中でお子さんと一緒に暮らす年数はどの位とお考えですか?
1人部屋が必要な時期は何年ですか?
かつての住まいであった実家の自分たちが使っていた部屋は、現在どうなっていますか?
B世代の方も将来お子さんが育ち、家から出ていくと、その子ども部屋が過去自分が使っていた実家の子ども部屋と同じことになるかもしれません。
その管理・始末をするのは誰になるのか。次の世代に自分たちは何を残せば喜んでもらえるのか考えてみてください。
そしてA世代、つまり親の家は将来どのようにお考えですか?
「将来売れば良い」とお考えかもしれませんが、資産というのは買う人がいて初めて売れます。
不動産が負動産にならないように、今とこれからの環境とともに数字でシミュレーションしてみてください。
「家賃は捨てていて自分の物にならないから家を買う」
「家賃並みのローン」
とよく言われますが、住宅を所有すると、住宅購入前に頭金、登録諸費用、印紙税、火災保険料、土地代金、仲介手数料、住宅購入後は固定資産税、修繕費用、金利等がかかります。
家賃の総合計と、住宅を購入した時の総合計とを数字で比較してみてください。
家は、ローンを返して初めて「自分のもの」となります。
賃貸の良いところは、用途や人数によって住み替えができることです。
住宅を所有するということは、住まいを固定してしまうことです。
・お子さんが小さいときに住みたい場所
・通勤に便利な場所
・移動に便利な場所
・生活するのに便利な場所
・病院への通院や買い物が歩いてできる場所
土地に資産価値を求めるのではなく、建物に価値がつくような作り方をする。
自分好みの建物ではなく、大切に使っていくことで価値が出る住み方をする。
「暮らしかた」に合わせて家を自由に住み替えるのも、これからも住まいの考え方かもしれません。
消費税増税、住宅ローン減税などの政策やキャンペーンなど、住宅を購入するのには お得な時期はあるかもしれませんが、それは「たまたま」だと思ってください。
自分の生活設計からはじき出したタイミングが一番いいタイミングです。
結婚して住宅を購入するためにお金を貯め使う、住宅購入後は教育費を貯めるために使う、教育費の目途がついたら老後のためにお金を貯め使っていく・・・
その間、住まいというのはずっと関わっていくもので、メンテナンスも必要です。
住まいについてのよくある声は・・・
◆実家の隣や敷地内に住宅を建ててはどうかと親に言われているが気を遣い窮屈だから、土地から探して家を新築したい。
→ライフプラン上、建物代だけで済めば、土地を買ったつもりの資金で教育費が準備できます。
◆親から住宅資金の頭金を援助してくれるという話があるが、人の力は借りず自分達だけでやっていきたい。
→高金利、右肩上がりの収入や退職金の変動、年金の減少など、世の中は絶えず変化しています。親御さんからいただいた住宅資金によって自分たちの家計が浮いた分は、住宅を高くするのではなく教育資金に使うことも考えてみてください。
◆新築は高いのでローコストで建てたい。
→ローコストというと「質を落とす」という考えを持ちがちですが、プロに頼まないといけないところと、素人でもできるところをきちんと把握し、欲しい住宅を計画的に手に入れることもこれから可能になる時代です。完璧に考えても後から「こうしたらよかった」ということが出てきます。一度で完成させず、住みながらライフスタイルに合わせて家族で創り上げる家というのも楽しいかもしれません。
住宅は購入ありきで考えるのではなく、ライフプラン上 必要な住まいの選択肢として、購入、賃貸、新築、中古、同居、建て替え、住み替えなど、自分たちの暮らしがどう変わるのかも考えてみるのがライフプランです。
住宅を購入することがゴールではなく、自分たちの「暮らし」の道具として住宅をどのように使うのかを考えてみましょう。
B世代のみなさまへ
教育費とは子どもが自立できる費用と考えます。つまり、大学費用に限らないということです。
子どもが自立できる支援として考えられるポイントは4つ。
子どもを自立させるには、お金と時間がかかります。
昔は金融機関にお金を積み立てるだけで、2倍や3倍になりました。
金利が低い今、B世代のご家庭は貯めた分しか積みあがりません。
自分が親からしてもらったことを、最低限 子どもにしてあげたいと思えば、自分の親の2~3倍の貯蓄をしなければ同じ額は作れなくなってしまいました。
「金利」という時代背景も変わりましたが、「高校」「大学」「働く」「学ぶ」という概念も前提や背景が変化しています。
「教育費」とは、自立のための費用なので、例えばお子さんが将来「イタリアンのシェフになりたい!」と言うのであれば、より豊かな経験を積むためにイタリアに修行に行く期間の生活費を出すのも「教育費」かもしれません。
仮にイタリア料理のシェフになるためにイタリアに渡ったのに、ヴェネツィアングラスに魅せられてガラス職人になったとしても・・・イタリアンシェフになるために出したお金をもったいないと思わないでくださいね。
お子さんの自立ができる応援費用としてお子さんにも考えさせながら教育費については考えさせることもこれからの時代は大事になってきます。
C世代は私たちの未来です。
どのように子育てしていくか、今の時代と相談しなければいけません。
A世代の方も、C世代の子どもたちのために、どのような考え方をしたら良いのか、人生の先輩として、今の時代に合わせてB世代の相談に乗ってあげてくださいね。
B世代のみなさまへ
老後不安という言葉をよく耳にするようになりました。
老後の不安というのは、どういったことなのでしょうか。
・働けなくなる
・働く場所がなくなる
・働きたくなくなる
・貯蓄が減る
・年金だけでは生活できない
それに合わせて「老後が不安だから資産運用してお金を育てましょう」という話もよく耳にされることがあるかもしれません。
老後不安もまた難しい課題のひとつです。
もちろん資産運用はとても有効な手段ではありますが、老後は何もできないと考えるより、何ができるか、長い時間をかけてお金とともに考えを育てていきましょう。
・健康であること
・できることや得意なことを増やして人の役に立てること
・新しい学びを始める
・新しい体験をする など考えてみてください。
そしてあなたがB世代ならば、今できることのうち、例えば、働きながら自分でご飯を炊ける、お掃除ができる、人に教えられるなど色々とあると思います。そして更に、学びの機会を得て自分でできることを増やしていっても良いかもしれません。
このようなことも、老後の楽しみになるような暮らし方ではないかと思います。