15年以上お世話になっている歯科衛生士さんからお誘いをいただき、内科医の西田亙先生の講演会へ参加してきました。
「人生100年時代は歯医者さんへの定期通院から!」というテーマを見たときに、内科医の先生が歯科をすすめるって、歯科医院のバックアップ的な講演かな?と思いましたが、その内容は想像と大きく違っていました。
西田先生(にしだわたる糖尿病内科 院長)は糖尿病を専門とされていて多くの患者さんを診ていらっしゃいますが、ご自身は6年前まで高血圧でメタボ体系で血糖値も高かったとのこと。
そして、何年振りかに歯科へ行ったのをきっかけに口腔の大切さに目覚めたとのことです。
まずご自身の体験として歯科へいったことで、歯をキレイに保つようになったそうで、早めに夕食を済ませて歯ブラシ以外にも歯間ブラシやフロスを使ってキレイにするとキレイなものを汚したくないという心理が働き、その後の夜食をとらなくなり、日々の運動と歯をキレイに保つことで、18キロの減量に成功したそうです。
そして実際に、糖尿病の患者さんが回復していくひとつの手段に口内の治療があるとのこと。
歯周病からくる味覚障害は、本人も病院でもなかなか気付けないらしく、薄い味の認識ができずに高カロリーの濃い味付けのものを好むようなります。
そんな糖尿病患者の方が歯周病を治すと、ご飯や野菜を美味しいと感じられるようになり、食事改善ができてインスリン治療をしなくても良くなった方がいらっしゃるそうです。
いくら指導されても薄い味付けを美味しく感じられなければ続かないのは当たり前です。
歯周病を治して味覚が戻れば、薄味で食材の持つ本来のおいしさを感じられるようになり、食事療法も継続できることでしょう。
また歯周病菌は血液から心臓や脳に影響を及ぼすことがあり、心筋梗塞やアルツハイマー型認知症を引き起こす原因になることも…。
そこでアルツハイマー病の治療として歯周病抗菌薬の臨床試験が4月から開始されたとのお話もありました。
その他にも、歯が無くなると顎の骨が薄くなり、くいしばれないことでつまづいたときにバランスを崩してころんで骨折してしまうため、歯を20本以上失うと大腿骨の骨折が5倍に激増するとのデータもありました。
今はインプラントや入れ歯の技術も発達していますが、歯を失うことには変わりなく、歯を失えば顎の骨は薄くなります。
80代で28本の歯のある方と20代で28本歯のある方とのレントゲン写真をみせていただきましたが顎の骨の厚さが同じでした。
顎の骨が薄くなることで、顔のバランスも変わるので歯を保っている方は若々しい顔立ちのままです。
口腔を健康に保つことが様々な病気を予防し、老化にも影響を及ぼしますね。
日々医療技術は進化していきますが、これからは治療よりも予防が大切になる時代だと思います。
予防することで重大になりそうだったトラブルを軽減したり早期発見にもつながります。
病気になると健康の大切さを実感しますが、健康な日々を送っているとその大切さを忘れがちになります。
「病気になるから」と気負う必要はありませんが
健康な日々を重ねていくためにも予防できることはしっかり予防していきたいですね。
byスタッフ